いま、会いにゆきます

ずっと好きな女優さんが主演しているというだけで観はじめた作品だったのだが、恥ずかしながら目頭が熱くなってしまった。

この手のように、死んでしまった人が蘇る物語は数多く観てきたのだが、こんなことは終(つい)ぞなかったのにである。どうやら、歳を重ねると涙腺が弱くなると言われるのは本当のようである。

彼女の、はにかむような笑顔につられ、ビールと言えばサッポロ一辺倒だった私が、サントリーのプレミアム・モルツを飲んでいた時期もあったぐらいなのだが、それだけではないように思え、理由を考えてみた。

【まっすぐな、愛】という言葉が浮かんだ。でも、少し違うような気がする。【一途な、愛】これも違う。

他の選択肢があることを知りながら、あえて結果を知っている道を選び『いま、会いにゆきます』と言う。

【誇り】という言葉が浮かんできた。

【誇りをもって、人を好きになる】どうやら、これが私の目頭を熱くした犯人のようである。

洋画に比べ、邦画の場合は我が身に置き換えて感情を移入しやすくなる。かと言って、この作品のように好きになっているかと訊かれても、胸を張る自信は湧いてこない。

胸を叩いてみても、埃は出ても【誇り】は出てこないだろう。それでも、いつかは胸を張れそうな思いを与えてくれた作品である。

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