現代若者孝

私にも若者だった時期がある。当時を振り返ってみて、自分で言うのも何だが、かなり生意気な若造だった。会社の宴会で上司から 「一杯どうだ?」 と酒を注がれそうになったときなど 「自分のペースでやりますから」 と断る。

当人は自己主張のつもりだったのだが、今にして思えば、こんなものは単なる社会に対する甘えでしかない。しかし、当時の大人たちは、そんな私の自意識とナルシズムを寛大な心で満足させてくれた。いまさら遅いのだが、当時ご迷惑をおかけした方々には申し訳ない思いで一杯である。

そんな私の目からすれば、現代の若者は大人しいというか人畜無害のようにみえてしまう。寡黙と言えば聞こえがよいのだが、何を言えばよいのかわからず途方に暮れて黙りこんでいるだけ、否、それすら自覚できず何も言えなくなっているだけかも知れない。

そして、唯一、自分の気に入ったことに取り組んでいるときのみ表情豊かで饒舌になる。私のように、自己主張と甘えを混同するのもいただけないが、自己充足できない場所では死人かロボットと化す姿はもっといただけないだろう。

しかし、いまの私は、そんな若者を寛大な心で満足させなければならない立場にいる。それをわかっているつもりが、何とも歯痒い思いが先にたってしまうのは、私もまだまだできていない証拠であろう。

まったく話は変わるが、このCMを覚えておられるだろうか。かなり古いものである。BGMも含め、当時から気に入っている。この老人の表情がいい。何度見てもいいのだ。特に、最後のワンカットなどは秀逸である。これを目にする度に、願わくば私もあんな老人になりたいと思ってしまう。

いつも若者と対等に張り合おうと頑張る、そうすれば、少しは若者が理解できるのでは、そんな思いがしてくるのである。

【2016年5月追記】
このCMといい、パリ・ダカやWRCでの活躍といい、良い仕事をしていた企業だけに、何があったのだろうか?