メルカリ・デビュー

かなり前に壊れてしまったオットーリンクのリガチャーが手に入った。

サックスを吹き始めて、最初に手に入れたマウスピースがオットーリンクのメタルだった。無知蒙昧をいいことに、雑誌にあった『ジャズ・テナーの定番マウスピースならこれで決まり!』のひと言を信じたのである。

結果とすれば、初心者にも届かない私が吹いても、ちゃんとそれらしい音を響かせてくれたのだから、正解だったのだろう。

以来、数個のマウスピースを試してみるも、最後はこれに戻ってしまうところを思えば、相性も良かったのかも知れない。しかし、オリジナルのリガチャーだけはしっくりこなかったのである。

リードの固定が、いまひとつ心許なかったのと、本体と比べ作りが雑なところが気に入らなかったのだが、やはりと言うべきか、数年前に壊れてしまったのだ。

仕方がないので、色々なリガチャーを試すことになった訳だが、音が太くなって喜んだのもつかの間、高音がぼやけていたり、よく鳴るのだが音色が気に入らなかったりと、それぞれに一長一短だった。

基本的には、リガチャーが悪いのではなく、ひとえに私の力量不足なのは重々承知しているのだが、オリジナルでは出ていた、今の私が出せる一番高いGの音が出ないのが、何よりも淋しかったのだ。

そこで、ヤフオクなどでオリジナルのリガチャーを探してみるものの、手ごろな価格の物が見つからないでいた。

ところが、ありがたいことにメルカリなるサイトでそれを発見し、今回、めでたくメルカリ・デビューとなった訳である。

それが、今日届いた。

少々使い込まれた感はあったが、リンクに付けてみたところ、それがいい味になっているではないか。しかも、吹いてみると、懐かしい響きが戻ってきた。

と言っても、それがまったく自己満足の世界であることに疑う余地はない。それでも『これで練習にも熱が入るかな』と、淡い期待を膨らませながら、独りニンマリとしている。