はちみつ味噌

明らかに、その道のプロの方の手を借りなければならないこと以外は『とりあえず、自分でやってみよう』で過ごしてきた。これはもう性分としか言いようがない。

【トマト・ソース】しかり、店の人気メニューでもある【燻製】も、そのひとつである。ベーコンなどの仕込から完成までに手間隙を要するものを除き、出来そうなものは、とりあえず燻してきた。

大きな声では言えない失敗もあった。それでも、おおかたは及第点をつけられる出来栄えに近づいている。

お陰で【チーズ】と【ナッツ】は定番メニューとして定着してくれたのが何よりもありがたい。

今日も在庫が少なくなったトマト・ソースを煮込みながら、ナッツを燻製するついでに、どうしてもやってみたかった【厚揚げ】の燻製を作ってみることにした。

普通の厚揚げの燻製は何度か作ったことがあるのだが、今回作りたかったのは【はちみつ味噌】に漬け込んだ厚揚げなのである。

とある雑誌で【塩麹】の次は【はちみつ味噌】がブームになるとの記事を読み、いつかはやらなくてはと手薬煉を引いていたのだ。

そこで、ナッツの在庫が心細くなってきたのを期に、一緒に作ることにした。

最低でも一昼夜漬け込む必要があったので、事前に準備し、ワクワクしながら、ナッツの前に燻してみた。

いい歳をした爺さんが嬉々として燻製に勤しむ姿は、まったく絵にならないのだが、出来栄えを想像しながらの、このひと時が至福なのである。

出来栄えのほうは、ご覧のように、見た目は美味しそうに出来上がったのだが、味のほうが想像していたのとは、若干、違っているように感じてしまった。

仄かな甘みにハチミツの存在は感じるのだが『味噌はどこへいった?』と訊きたくなる味なのだ。おそらく、冷蔵庫で眠っていた減塩の味噌のせいだと思われる。

それでも、前回作った普通の厚揚げと比べれば、明らかにコクがあり、深みのある味わいになっていた。恐るべし【はちみつ味噌】である。いい仕事をしてくれている。

それに気をよくした訳ではないが、次回は、ちゃんとした麹味噌にしようか?好きな赤味噌もいいかな?いっそ2種類作ろうかな?などと、思案中である。

因みに、今回は、ナッツの方を【ウイスキー・オーク】のチップで燻してみた。ウイスキーを熟成していた樽で作ったチップなので、それ自体に、ほんのりとウイスキーの香りが漂っている。

その香りが、どこまでナッツに移ってくれるかは、食べてからのお楽しみである。