がんばれぇ~!

※動画と本文とは関係ありません。

【成長は、背伸びの繰り返し】とも言われる。私にも、精一杯背伸びしていた時期があった。周りの方々は、さぞかし迷惑だったことだろう。それでも、暖かな心で見守り、優しく包んでくださったお陰で、今の私があるのだと感謝している。その私も、今は、見守る側になってしまった。

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「俺ってさぁ、バーボンは飲むんだけど、ウィスキーは飲まないんだ」
「へぇ~、じゃぁ、詳しいんだ、バーボン」
「ひと通りは飲んでるけどね」
「じゃぁ、ここに並んでるのは?」
「大体は飲んでるね」
「すごぉ~い!!」

彼を見つめる彼女の瞳には、お星様がきらめいている。

私は心の中で呟いた。
「バーボンもウィスキーなんだけど。。。」

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「ここに並んでる透明なお酒はなに?」
「ウォッカって奴さ。おまえなんかが飲んだら、ぶっ倒れちゃうぞ」
「強いんだ?」
「まっ、俺はガンガンいちゃうけどな」
「じゃ、どれにする?」
「今夜はやめとくよ。あとがあるし。。。」
「やだぁ~」

今度は心の中で叫んだ。
「やだぁ~ウォッカだけじゃなくて、ジンもテキーラも並んでるんだよぉ~」

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「マスター!こいつ弱いんで軽いカクテル。俺はマスターお勧めのバーボン」
「飲み方はどうします?」
「ハーフ・ロックで」

彼女の瞳のお星様は益々きらめきを増している。

その彼女には、リキュール・ベースで爽やかなロング・カクテルを作るとして、彼には何を。。。

私の好きな銘柄は決まっている。でも、いささか値が張る。
それなりの年齢の方なら、間違いなくそれを出す。商売だし、私のお勧めなのだから。

しかし、そこは見守らなければならない使命感にかられて【WILD TURKEY 8Y】を選ぶ。

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「流石っ、マスター判ってるねぇ~」
「おいしいの、それ?」
「今まで飲んだ中で、一番ヤバイ、バーボンかな」

彼女のお星様は、すでに体全体に広がり、輝いている。

私は、このキュートでチャーミングな彼女のためにも、彼に向かってエールを送りたくなってきた。

そして、心の中で『がんばれぇ~!』と小さく叫んだあと、正真正銘のお気に入りを、自分のグラスに注いだ。

※ これはフィクションで実際のmy Styleとは関係ありません。たぶん。。。